光回線10ギガは本当に必要なの?
最初に結論をいいますが、現時点でほとんどの人にとって10G光回線は必要ありません。なぜなら、大容量データを頻繁にダウンロード・アップロードするのでない限り、従来の1G光回線で十分だからです。
いつも動画視聴やネットサーフィンなどがメインで、時々容量が大きいデータ送受信をする程度なら10ギガ光回線は必要ないというわけです。
また、10ギガ光回線も1ギガ光回線に比べて月額や導入コストなどが余計にかかります。
光回線の1Gと10Gの違い
通信速度が非常に速い
まずは、速度が圧倒的に異なります。
平均ダウンロード速度 | 平均アップロード速度 | 平均Ping値 | |
1ギガ回線 | 250.41Mbps | 248.62Mbps | 19.56ms |
10ギガ回線 | 1218Mbps | 1372Mbps | 10ms |
1Gと10Gでは、最大速度で10倍変わってくるのです。
大規模なファイルのダウンロード、ビデオストリーミング、オンラインゲーム、クラウドサービスの利用などに最適です。
プロゲーマーや大容量のデータを大量にダウンロード・アップロードしたいなどで大容量のデータをやりとりする必要がある人や、複数人で同時に大容量の通信をすることがある人などは、10ギガプランを検討するとよいでしょう。
このような大容量通信をする場合には、この速度差は大きなものになるでしょう。また、同時に複数の端末を接続する場合にも、1Gと10Gでは差が出てきます。
1G=1,000Mであるので、10Gの場合には10,000Mとなります。
そう考えても、1Gと10Gは速度の面で大きな違いがあるといえるでしょう。
1G(ギガ)のコースより月額料金が高くなる
速度も異なるほか、料金も変わってきます。
全体的に10Gのほうが料金は高めに設定されているのです。
10Gプランは、1Gに比べて月額料金が500円~2,000円程度高いです。
そのため、料金をとるか速度をとるかで1Gと10Gのどちらを選ぶかが決まってくるでしょう。
回線 | 1Gbps | 10Gbps |
MOとくとくBB光! | ・戸建:4,818円 ・集合住宅:3,773円 | ・5,940円 |
NURO 光 | ・3年2G:5,200円 | ・3年10G:5,700円 |
ドコモ光 | ・戸建:5,720円 ・集合住宅:4,400円 | ・2年:6,930円 |
EO光 | ・5,448円 | ・6,530円 |
10Gは利用エリアが限定される
10Gは、提供が開始されはじめたばかりのため、利用エリアはかなり限定的です。
現在は都市部を中心に利用エリアが広がりつつあります。
とはいえ、まだまだエリアは限られているため、ほとんどの場合には1Gを利用することになるでしょう。
戸建住宅で提供されているエリアでも集合住宅では利用できない場合もあります。
10G対応のデバイパスが必要
光回線が10Gプランに設置になったら、自宅の機器や配線も10G対応のものに換える必要があります。
10Gコースでは、使用する機器や配線なども10G対応のものが必要です。
デバイスやルーター、ケーブルなどは、搭載されている性能以上の通信速度は出ないため、10Gの光回線に接続していたとしても、機器が1G対応の場合、最大1Gまでしか送受信ができません。
Wi-Fiルーター
通信規格の古いWi-Fiルーターは、最大通信速度(理論値)が小さく10Gの性能が発揮できません。家庭用に普及しているWi-Fiルーターでは、10Gに近い最大通信速度の「Wi-Fi 6」が推奨されています。
【NTT光回線(フレッツ光・光コラボ)】
10G対応LANポートが1つあり、Wi-Fi 6の無線LANルーター内蔵のホームゲートウェイ(XG-100NE)を550円/月でレンタル、または自分で10G対応無線LANルーターを用意。
LANケーブル
10Gbpsを利用するためには、Cat6A(カテゴリ6A)以上のLANケーブルを使用する必要があります。
モデムとWi-Fiルーターを接続する際や、Wi-Fiルーターとパソコンなどのデバイスを有線接続する際に、10G(ギガ)対応のLANケーブルが必要になります。
パソコンのLANポート
通信デバイスとルーターを有線接続する場合には、LANケーブルの差し込み口であるLANポートの規格も10Gに対応していなければなりません。
10G対応LANカード(LANケーブルを挿す外部コネクタ)を増設すれば利用可能。
10G(ギガ)対応の通信デバイス
パソコンやスマートフォン、タブレットなどの通信デバイスが古いと、Wi-Fiの通信規格が「Wi-Fi 6」に対応していないことがあります。
接続する通信デバイスのスペックが低いと、10Gの光回線を利用しても通信速度は速くなりません。
10Gの工事ができるか
1G光回線から10ギガ光回線への変更でも、光ファイバーケーブルの引き込み工事が行われます。
10Gと1Gでは光回線の設備が異なるため、新たに10Gコースを利用する際には開通工事が必要になります。
10Gコースの回線工事を実質無料にしている光回線事業者がほとんどです。
現在マンションなど集合住宅に居住しており10G光回線を利用したいなら、建物に10G回線設備が導入済みでないといけません。建物に1Gの設備しかない場合は、10Gを利用することは困難となります。
その理由は、集合住宅の場合は建物内にに引き込まれた光回線を各戸に分配する形だからです。回線を入居者で共有するので、自分だけ10ギガにするというのは難しいわけです。
一方戸建ての場合、本線から室内に直接引き込み工事するので他人を巻き込むことはありません。借家の場合は住居の管理会社または大家さんの了承さえあれば、10G回線を導入することが可能です。
10G提供エリア | 1G提供エリア | |
NTT光回線 (フレッツ光・光コラボ) | NTT東日本・西日本が光クロスを提供している全国の一部地域 | NTT東日本・西日本が光回線を提供している全国 |
NURO光 | 北海道を含む24都道府県 | 北海道を含む21都道府県 |
auひかり | 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の一部地域 | 関西エリア、東海エリア以外の36都道府県 |
電力系光回線 | 各地域限定 | 各地域限定 |
10Gのおすすめプロバイダー
とくとくBB光10ギガ
GMOとくとくBB光の10Gプランは通常プランの10倍の最大速度を誇る超高速プランです。回線速度を重視する人にとっては、気になるプランだと思います。
しかし、GMOとくとくBB光の10Gプランは、契約するだけで回線速度が速くなる訳ではありません。10Gプランのスペックを活かすには、PCやケーブルなどを揃える必要があります。
1ギガ | 10ギガ | |
月額料金 | 戸建て:4,818円 マンション:3,773円 | 5,940円 |
契約期間 | なし | |
工事費用 | 26,400円(実質無料) | |
ルーターレンタル | Wi-Fiルーター無料l | 10ギガ対応ルーターを月390円でレンタル! |
キャンペーン・特典 | 5,000円キャッシュバック 他社解約違約金補助 | 15,000円キャッシュバック 他社解約違約金補助 |
GMOとくとくBB光の10Gプランはスマホとのセット割がない一方、他の光回線10Gと比較して月額料金が安く、また、GMOとくとくBB光は解約違約金が必要ないのがメリットですが、3年以内の解約の場合は工事費の残債が請求され注意が必要です。
NURO光10ギガ
NURO光は3年契約の10ギガ以外に2年契約の2ギガ、3年契約の2ギガコースもあります。
3年契約の2ギガは月額料金が5,200円で、一般的な1Gより速く、10Gコースより手ごろに契約可能です。
1ギガ | 10ギガ | |
月額料金 | 戸建て:5,200円 マンション:2,090~2,750円 | 戸建て:5,700円 マンション2,640~3,300円 |
契約期間 | 3年 | |
工事費 | 宅内工事費0円 | 44,000円(実質無料) |
ルーターレンタル | 不要 | |
キャンペーン・特典 | 25,000円キャッシュバック | 45,000円キャッシュバック 他社解約金最大60,000円還元 |
NURO光10Gはソフトバンクスマホとのセット割で月額料金が1,100円割引され、ソフトバンクユーザーにおすすめの光回線。NURO光の10ギガプランは他社の光回線10Gサービスと比べて契約できるエリアが広くおすすめです。
おてがる光クロス
高速回線選びに迷ったら違約金、契約期間に縛りのない【おてがる光クロス】最大10Gbps 回線で工事費実質無料。
おてがる光の10Gプラン・おてがる光クロスは、契約期間縛りなし・解約違約金無料の光回線サービスで、他の光回線10Gプランと比較して乗り換えしやすいと評判のおすすめ光回線サービスです。
1ギガ | 10ギガ | |
月額料金 | 戸建て:4,708円 マンション:3,608円 | 6,160円 |
契約期間 | なし | |
工事費 | 22,000円(実質無料) | 26,400円(実質無料) |
レーターレンタル | ‐ | 495円~550円/月 |
キャンペーン・特典 | Ipv6オプション165円 毎月550円割引(最大12回) | 料金1年間1,452円割引 料金2年目以降726円割引 無線LANルーター割引クーポン |
おてがる光クロスは、正直多くの人におすすめできるようなプランではありません。
例えば、都内に住んでいるネット速度にこだわりたいマニア向けのプランだと言えます。
10Gプランの伸び率はあるものの、おてがる光ユーザーの9割は通常プランを利用しているのが現状です。
ドコモ光10ギガ
ドコモ光の10ギガプランは、最大通信速度10ギガの回線を利用できる、ドコモ光の上位プランです。
工事費実質無料としている事業者が多い中、ドコモ光だけが工事費完全無料で提供しています。
1ギガ | 10ギガ | |
月額料金 | 戸建て:5,720円 マンション:4,400円 | 6,380 円 |
契約期間 | 2年 | |
工事費 | 工事費無料 | |
ルーターレンタル | Wi-Fiルーターレンタル無料 | 10ギガ対応ルーターのレンタル309円/月 |
キャンペーン・特典 | Wi-Fiルーターレンタル無料 10,000円キャッシュバック | 20,000円キャッシュバキャッシュバック dポイント17,000円 |
ドコモ光の10ギガプランははスマホとのセット割で月額料金が1,100円割引され、ドコモユーザーにおすすめの光回線。
eo光10ギガ
eo光(イオ光)は株式会社オプテージが提供する関西エリア限定の光回線サービスで、10ギガプラン契約で最大速度10Gbpsでインターネットを利用可能。
ただし集合住宅ではeo光が導入されていなければ利用できません。
1ギガ | 10ギガ | |
月額料金 | 戸建て:5,448円 マンション:3,876~5,447円 | 6,530円 |
契約期間 | 2年 | |
工事費 | 29,700円(実質無料) | |
ルーターレンタル | eo光多機能ルーター1年間0円 | |
キャンペーン・特典 | 1年間月額料金2,380円 他社違約金最大60,000円還元 10,000円商品券プレゼント |
eo光はセット割でスマホの月額料金が1,100円割引され、auスマホ・UQモバイルユーザーにもおすすめの光回線。10ギガプランの提供エリアは関西限定で、自宅が提供エリア内の場合は最大10Gbpsの高速通信が可能なおすすめ光回線です。
1Gの光回線がおすすめな人
動画が快適に見られる程度の高速通信ができれば十分な人
基本的には、1Gでも動画を見るには十分です。
Netflixのサイトによれば、一番高画質な4Kであっても、25M程度が推奨されています。
1G=1,000Mなので、1Gのプランでも4K動画は快適に見られるといってよいでしょう。
もちろん、家でスマホをWi-Fiにつないだとしても、満足のいく速度は得られるはずです。
通信費にコスパを求める人
1Gプランは競合も多く、料金も比較的安価となっています。
キャンペーンやスマートフォンとのセット割なども豊富なことから、コスパを求める方におすすめです。
電気やガスと組み合わせて、光熱費もセットで割引されることもあるので、今使っているスマートフォン・電気・ガスと合わせて光回線を選ぶのもおすすめです。
このような契約の柔軟さがあるのも1Gプランの魅力だといえるでしょう。
対応エリアの広さを重視する人
1Gは、都市部でも地方でも使えるエリアが広いのが特徴です。
そのため、ほぼ全国の地域では1Gプランは利用することができます。
マンションに住んでいる方であれば、既に1Gの光回線が共用部・部屋まで来ている場合があり、その場合には、配線工事が不要になる点もメリットです。
光回線10Gのコースにしたほうがいい人は?
光回線の10Gコースのメリット・デメリットを踏まえ、下記に該当する人は10Gコースの利用がおすすめです。
光回線の10G(ギガ)コースにしたほうがいい人は?
光回線の10Gコースのメリット・デメリットを踏まえ、下記に該当する人は10G(ギガ)コースの利用がおすすめです。当てはまる人は、10Gコースを検討してみてください。
高画質な動画を楽しみたい人
高画質になるほどデータ容量は大きくなるため、快適に視聴するには通信容量も必要になります。
通信容量の大きい10Gコースなら、4K・8Kの衛星放送や高画質の映画、リアルタイムのスポーツ観戦も途切れることなく、臨場感たっぷりに楽しめます。
最速のネット環境を求める人
まずは、「とにかく速いネット回線が欲しい」という場合には、10Gのプランを契約するべきでしょう。
これまでの光回線よりも圧倒的に速いスピードで通信ができるため、その速さに驚くはずです。
オンラインゲーム(ゲーマ)をよくする方や、テレワークで大容量のデータをやりとりする必要がある場合には、速度の変化の恩恵を受けやすいといえます。
オンラインゲームでは数秒のラグが勝敗を分けることになるので、10Gの光回線はおすすめです。
10Gの光回線は、データの送受信を表す上りと下りの通信速度が速い上、低いほどサーバーとデータの送受信にかかる時間が短くなるPing値の低さも兼ね備えています。
このように、速度の求められる環境を手に入れたい場合に、10Gのプランがおすすめです。
複数デバイスの同時接続
全員が大容量のデータをやりとりするオフィスや、居住人数の多い家庭など、複数の人が同時にインターネットを利用する場合も10Gコースはおすすめです。
10Gの光回線なら、大人数が同時に接続しても、安定して大容量のデータ通信が可能です。
光回線1ギガから10ギガに切り替え手順
光回線の速度を1ギガから10ギガにアップグレードする手順は、以下の通りです:
- 対応エリアの確認: 10ギガプランは限られたエリアでのみ提供されているため、まずはお住まいの地域が対象エリア内かどうかを確認する必要があります。ドコモ光の公式サイトやプロバイダのサイトで確認できます1。
- プロバイダの選定: 10ギガプランに対応しているプロバイダを選びます。ドコモ光の場合、GMOとくとくBBなどがおすすめされています1。
- 申し込み: 選んだプロバイダを通じて、10ギガプランへの申し込みを行います。オンラインでの申し込みが可能です。
- 工事の手配: 10ギガプランへの変更には、宅内機器の交換や配線の変更が必要な場合があります。プロバイダから工事の日程を案内されるので、立ち会いが必要です2。
- 工事の実施: 工事担当者が訪問し、必要な機器の交換や配線の変更を行います。工事は約30分から2時間程度で完了します2。
- サービス開始: 工事が完了し、新しい設備の動作確認が行われた後、10ギガのサービスが開始されます。
注意点として、10ギガプランへの変更には追加の費用が発生する場合があります。また、既存のルーターやLANケーブルが10ギガに対応していない場合は、それらの交換も必要になることがあります。詳細はプロバイダの案内に従ってください。
この手順に従って進めれば、より高速なインターネット環境へのアップグレードが可能です。
切り替え時は通信費見直しのチャンス
10Gへの切り替えを検討するのは、通信会社および料金を見直す良い機会です。
現在利用中の通信会社でプラン変更可能な場合もありますが、現在レンタル品を使用している場合は一度返却が必要で、プラン変更の事務手数料と工事費用もかかる場合がほとんどなので、解約・新規とあまり変わりません。
特に現在使用している回線は数年前にしたという方であれば、近年のうちに光コラボ回線など安価な光回線が登場していたり、利用しているスマホの会社が変わったという方もいると思います。
通信契約は一度利用開始してしまうと、面倒でなかなか乗り換えやプラン変更をする気にならないものです。
乗り換えをすることで、通信費を節約できたり乗り換え先でキャッシュバックが貰える場合もあります。
プラン変更の場合でもレンタル品は交換
使用している、レンタル品のONU(光回線終端装置)や、ONU機能を持ったホームゲートウェイは、1G用の物は返却し、10G用の物を新たにレンタルする必要があります。
1Gと10Gでは通信規格が異なるので10Gには10Gに対応した規格の機器が必要になるからです。
光ファイバー自体は単なる媒体なので、通信速度は光ファイバーの両端に接続する機器の性能によって変わります。
用途によっては1Gbpsのプランとさほど変わらない場合も
Webサイトの閲覧やSNSの利用などは、1Mbps程度の速度でも問題なくできることが多いです。1Gbpsの回線でも、速度が足りなくてWebサイトの閲覧やSNSの利用が快適にできないことはほとんどないでしょう。
そのような用途では、10Gbpsのプランに変更しても、体感的な違いはほとんど感じられません。動画視聴に関しても高画質でなければ、ほとんど違いはわからないでしょう。また、家族が1〜2人の場合にも、あまり変わらないことが多いです。